仮想通貨で儲けたら・・・（税金の話）-後編-

前回の
仮想通貨で儲けたら・・・（税金の話）-前編-
の続きになります。

前回、株の取引で得た利益は「譲渡所得」「配当所得」に当たり、だいたい20%くらいの税率になることをお話ししました。
譲渡所得というのは、その名の通り、何かを売ることによって得た利益を指しています。
ですので、株にかかわらず、FXや債券、投資信託などの金融商品や、土地、建物、その他物品なども同じです。
最近「転売ヤー」の問題が話題になることが多いですが、転売によって得た利益についても譲渡所得として納税する必要があります。

では、仮想通貨の場合はどうでしょうか。
仮想通貨についても、仮想通貨を売ったことによる利益に対しては、譲渡所得・・・になりそうな気がしますが、国税局の見解では「雑所得」として扱うという見解が出されています。
ちなみに、その理由は発表されていません。うーん・・・

この雑所得という扱いが、投資家たちにとって大問題になります。
「雑所得」とは、前編でお話ししてた10種類の所属区分のひとつで、9種類の区分のどれにも分類できない、いわゆる”その他”に分類される区分です。
代表的な例として、年金を受け取ったときや、ネットでアフィリエイト収入を得たときなどが挙げられます。

それで、この雑所得ですが、税率が、前編で書いた給与所得と同様に利益の金額に合わせて最大45%（住民税を入れて55%）と鰓輸入の半分以上が税金として持っていかれることになります。

たとえば、株と仮想通貨でそれぞれ4000万円の利益を得た場合、
ざっくり計算なので、あくまで参考程度にしていただきたいのですが、以下の通り税金の支払いが発生します。
株・・・・・4000万円×税率20.315%＝813万円
仮想通貨・・4000万円×税率55%＝2200万円

仮想通貨で儲けようという気力がなくなってきますね・・・・
とはいえ、最近、一部の政治家の方から、日本のデジタル化推進の観点からも仮想通貨も譲渡所得にしようとか、過去には、FXで儲けた利益についても、雑所得から譲渡所得に変わった経緯もあり、
そのうち、仮想通貨も、譲渡所得の扱いになるだろうという見方が多数を占めています。

しばらくは静観と言ったところですね。
もし、仮想通貨で利益を出した場合、確定申告はちゃんとしましょう！
そのうち、確定申告の仕方なんかもご紹介していければと思います。